2003年11月28日 東京文化会館 大ホール

クレジット

振付:レフ・イワーノフ/ワシリー・ワイノーネン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー/美術:ニコラ・ベノワ
指揮:ミッシェル・ケヴァル/演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

キャスト

クララ:ポリーナ・セミオノワ
くるみ割り王子:ウラジーミル・マラーホフ
クララの父:後藤晴雄
クララの母:遠藤千春
兄フリッツ:佐野志織
くるみ割り人形:高橋竜太
ドロッセルマイヤー:木村和夫
ピエロ:後藤和雄
コロンビーヌ:太田美和
ムーア人:大嶋正樹
ねずみの王様:平野玲
スペイン:遠藤千春、後藤晴雄
アラビア:井脇幸江、芝岡紀斗
中国:太田美和、倉谷武史
ロシア:長谷川智佳子、古川和則
フランス:高村順子、小出領子、中島周
花のワルツ(ソリスト):大島由賀子、福井ゆい、乾友子、高木綾、木村和夫、野辺誠治、久保田央、平野玲、高野一起


感想

ワイノーネン版、東バの「くるみ」を初めて見てきました。フリッツを佐野志織が踊るというので驚いたのですが、東バの「くるみ」には子供は出てこなくて、大人が子役もこなすのね。セミオノワはとても背の高い人なので、子供役のダンサーを決めるのも大変だったのでは。実際セミオノワはまだ20歳にもなってないと思うけど、5月に見た時よりずっと華やかになっていて、大人っぽいクララだったような。

ちゃんと納得できるストーリーのあるピーター・ライト版が好きな私としては、この版はいくぶん唐突な展開という印象。大人しか出ないから大人向け、ということではなくて、ねずみとクララやくるみ割り人形(王子)との戦いにも不気味な怖さはないし、(後で出てくるネズミの王様が、怪我した手を三角巾でつっているのが笑えた)、セットも衣装もパステルカラーがいっぱいで、シュガーコーティングのお菓子のよう。

セミオノワは本当にキラキラと輝くばかりの美しさ。踊りも安定感があって、本当に19歳?と目を疑ってしまう程。クララがグラン・パ・ド・ドゥまで踊るのでたっぷり見られたのも嬉しかった。マラーホフも今回は調子がよくて一安心。クララのサポートが多くて、見せ場は2幕グラン・パ・ド・ドゥのバリエーションだけだったのがもったいない程。あーでも目福でした。しあわせ。

ドロッセルマイヤーも不気味さはなくて、子供たちから受けないと悔しがったりするところが可愛い。木村和夫が好演してました。ピエロの後藤和雄、コロンビーヌの太田美和、ムーア人の大嶋正樹もとてもよかった。太田美和は2幕での中国の踊りも表情がかわいらしくて、彼女のキャラクターにとても合っているのだろうな。後藤和雄は翌日はフランスの踊りだったようなので、そちらも見たかった〜。でも、ピエロ役にちょっととぼけた感じのところがぴったりだったかも(あ、ほめてます)。

1幕ではクララの父、2幕でスペインの踊りを踊った後藤晴雄は、とっても楽しそうではじけてました。1/2幕とも彼のパートナーだった遠藤千春がちょっとおとなしめに見えてしまったので、彼女にもあれくらいはじけてほしかったなー。アラビアの踊りの井脇幸江は難しい踊りもぴたっと決めていて、さすが。それにしても、東バ「くるみ」のアラビアは割りとおとなしめよね。もっと官能的でいいと思うんだけど・・・やっぱり子供を意識してるのかなぁ。他にロシアの2人(長谷川智佳子、古川和則)がよかったです。また、花のワルツのソリストでは腕の使い方など福井ゆいが好みでした。

そういえば、今回はソリストでは吉岡美佳はキャストされてなかかったのですが、パンフレットのダンサー紹介のところには「アラビア」となっていて。彼女は1幕の客間の婦人で踊っていたのに、どうしたのかなー。あまりコンディションがよくないのでしょうか。遠藤千春や井脇幸江、他の婦人役ダンサーたちと比べても、群を抜いて美しい踊りだと改めて感心してました。