2004年4月25日 新国立劇場オペラ劇場

クレジット

振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/演出:ジュリー・リンコン/監修:デボラ・マクミラン/舞台美術・衣装:ポール・アンドリュース/照明:沢田祐二/舞台装置・衣装提供:バーミンガム・ロイヤル・バレエ
指揮:アンソニー・トワイナー/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

キャスト

ジュリエット:シオマラ・レイエス
ロミオ:デニス・マトヴィエンコ
マキューシオ:マイレン・トレウバエフ
ティボルト:ゲンナーディ・イリイン
ベンヴォーリオ:奥田慎也
パリス:森田健太郎
キャピュレット卿:長瀬信夫
キャピュレット夫人:楠元郁子
乳母:大塚礼子
マンドリンの踊り:グレゴリー・バリノフ(ソロ)、江本拓、陳秀介、冨川直樹、佐々木淳史、中村誠
娼婦:湯川麻美子、西川貴子、前田新奈
モンタギュー卿:内藤博
モンタギュー夫人:神部ゆみ子
ロザライン:真忠久美子
ロザラインの友人:深沢祥子
ロレンス神父:市川透
大公:長瀬信夫
ジュリエットの友人:遠藤睦子、高橋有里、西山裕子、さいとう美帆、寺島ひろみ、本島美和


感想

調子にのって5公演も通ってしまいました。おかげで公演後1週間経ってもプロコフィエフの音楽が頭から抜けません。全体を通しての印象は、「がんばれ〜男性ソリスト陣よっ」ですかね。せっかくの公演なのにロメオを踊る自前ダンサーが山本隆之さんだけなのも残念だし(マトヴィエンコはシーズンゲストダンサーですものね、好きだけど)、他のキーキャラクターもちょっと層が薄い感じがします。ロメオ、ベンヴォーリオ、マキューシオ、と3人並んだ時のバランスも重視しての配役なのかもしれませんが、契約ソリストだけでなく登録ソリストの方たちにも出てもらえばよかったのに・・・と、ちょっと思ってしまいました。

それと、群舞というか、街の広場の"雑踏の雰囲気"が今ひとつ。ロメジュリを生で見たのはこの公演が初めてなので、新国立劇場の群舞のせいなのかどうかわかりませんが・・・

初日ぼろぼろだったオーケストラもだんだんマシになっては来たように思います。難しいのはわかるんですけどねー、やっぱり音は大切ですから。指揮のアンソニー・トワイナーさんはとてもよかったと思います。いつもオケピの入り口からちょこちょこっと小走りで指揮台に向かう様がとっても愛らしくて、それが毎度の楽しみになっておりました。(なんか違う)

と、文句ばかり書いているようですが、どの日もかなり楽しみました。ダンサーによって印象がかわっておもしろかったですし、見れば見るだけ細部までわかるようになってきたので、初心者の私には「バレエの目」が鍛えられてよかったかも。

マトヴィエンコ、昨日はワタシ的にあまり・・・だったのですが、今日はスイッチが入ってました。さすがにお疲れかも?で、サポートもちょっと不安定な印象でしたけれど、レイエスの情熱的な踊りに感化されたのか昨日より激しいロメオでした。街の広場で、下手で一人座って物思いにふけるシーン、昨日は山本さんと同じような座り方でしたが、昨日ダメ出しされたのか(?)今日は片足をすーっと伸ばして「アンヘル座り」してました。

レイエスは、出てきた瞬間にかわいい!と思いました。そして、若い!みずみずしいジュリエットでした。役作りも細かいところまでいろいろ考えているようで、他の誰とも違うアプローチに感心。最初パリスを紹介された時のレイエスは、知らない異性にたいする恐怖よりも好奇心が勝っているんですね。周りの人間から愛されて育った女の子の人懐っこさと少しの恥じらいとで(だから余計にコドモっぽく見えたのかも)パリスと笑顔で踊っていて、なるほどなーと思いました。乳母に「あなたはもうコドモではないのよ」と教えられる場面も、一番表情が生き生きしてたと思います。2幕以降も同様の工夫が随所に見られましたが、大人の女性に成長するというよりも、コドモの一途さのまま愛に生きて死んでいった感じ、かなぁ。意志というより感情のまま、という解釈だったのかもしれません。マトヴィエンコともいいけど、やっぱりコレーラとの組み合わせも見てみたかった、と思うのは欲張りでしょうか。

パリスの森田さん、すっかり見慣れて違和感がなくなってしまいました。というか、昨日の市川さんの後では、森田さんのなんと頼りがいのあるお姿!昨日の市川さんを見て「ああ、パリスって難易度の高い役だったんだ!」と気付き、今日その役をゆうゆうとこなす森田さんを見て本当に感心しました。トレウバエフくんも昨日ダメだしがあったのでしょうか?今日はいい感じでした。飄々とした雰囲気がよく出ていましたし、踊りもメリハリがあってよかったです。奥田さんも昨日よりよかったように思いました。

最終日なので全体の印象も書き記すと、出色はマンドリン・ダンスのバリノフくんですかねー。連日喝采を浴びていました。娼婦の湯川麻美子さん、ロザラインの真忠久美子さんもすばらしかったです。そういえば(全然舞台の内容とは関係ありませんが)真忠さんはドレス姿だったので、初日のカーテンコールでは前向きのまま後ろに下がれずに、ちょっと困ったようなお顔で回れ右して下がってらっしゃる姿が微笑ましかったんです。が、最終日には、ドレスの裾を腕にかけて、正面を向いたまま下がってらっしゃいました。最終日まで気付きませんでしたが、いつからバージョンアップされたのかしら(笑)

ジュリエットとロメオのベストを選ぼうかと思ったのですが、どの組もそれぞれ素敵なところがあって選べませんでした。でも、一番細かいステップまで確実に踊っていたのがアンヘルだ、というのは間違いなさそうです。