2004年6月4日 新国立劇場オペラ劇場

クレジット

振付:マリウス・プティパ、コンスタンチン・セルゲーエフ/音楽:P.I.チャイコフスキー/演出:オレグ・ヴィノグラードフ/舞台美術・衣装:シモン・ヴィルサラーゼ/照明:ウラジーミル・ルカセーヴィチ
指揮:ボリス・グルージン/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

キャスト

オーロラ姫:スヴェトラーナ・ザハロワ
デジレ王子:イーゴリ・ゼレンスキー
リラの精:前田新奈
カラボス:ゲンナーディ・イリイン
フロリナ王女:寺島ひろみ
青い鳥:マイレン・トレウバエフ
優しさの精:大森結城
元気の精:西川貴子
鷹揚の精:本島美和
暢気の精:西山裕子
勇気の精:厚木三杏
求婚者:市川透、貝川鐵夫、奥田慎也、冨川祐樹
猟師:吉本泰久
村の娘:高橋有里
ダイヤモンドの精:遠藤睦子
金の精:大森結城
銀の精:川村真樹
サファイアの精:丸尾孝子
白い小猫:真忠久美子
長靴をはいた猫:グレゴリー・バリノフ
赤ずきん:さいとう美帆
狼:市川透


感想

なんだかいつもの初日より人が多い気がしました。幕間のホワイエも人だらけだし。ザハロワとゼレンスキーだから?それとも今シーズン唯一のチャイコフスキー3大バレエだからでしょーか。それと新国立の「眠り」も初めてだったので、休憩が3回というのにも驚きました。3時間半の長丁場なんですねぇ。

ザハロワは立派でした。その技術、しなる身体、手脚の造形、どれをとっても感嘆もの。見てるだけで圧倒されるしシアワセな気分にもなります。それは同じ舞台に立っている新国立ダンサーのみなさんも同様だったようで、彼女がソロで踊っている間惚れ惚れと見とれている人ばかりでした。輝くばかりに美しいお姫さまに感嘆する人々という設定だから遠慮なく見てる、って感じ。

身体のつくりが大きい上に破格の華やかさと存在感の大きさのため、比較的小柄(それでも平均身長は他より高いとは思うけど)な新国立劇場の面々からは浮いている感じを受けました。特に1幕。そのせいで、1つの演目としてのバランスはあまりよくなかった気がします。それと、ザハロワは私好みのオーロラよりは立派すぎるのもしっくりこない理由かもしれませんね。3幕の冒頭でドレス姿で登場した時には、まごうことなき王国の姫君という輝きと美しさでうっとりしましたし、グラン・パ・ド・ドゥもとてもよかったので、やっぱり新国立ダンサー(特に男性陣)とのバランスの問題でしょうかねー。

ゼレンスキーは立ってるだけで見事なプリンス。1つ1つの身のこなしが実に美しかったです。踊ってくれてありがとう〜!と嬉しくなりました。怪我の影響がまだあるのか、かなりしんどうそうだったのが気になりますが。素晴らしいダンサーなので、無理せずに長く踊って欲しいなーと思います。

リラの精の前田新奈さん、すごくよかったです。気品と優しさと毅然とした態度が好ましく、美しい踊りとあいまって、なんともいえずよかったです。他の妖精たちもみな素敵でしたが、特に印象に残っているのは西山裕子さん。呑気の精の踊りは、彼女の持ち味にぴったり。カラボスはイリインさんでしたが、ねたみ・そねみ・怒り、といったマイナスの感情をためこんだ「陰」の印象。背中に詰め物をして、年取った偏屈さもあったりして、淋しさまで感じさせちゃうようなカラボスでした。

2幕の狩の場では吉本泰久さんが猟師で踊っていたのに、全然気付きませんでした。高橋有里さんは見てたのになー。ゼレンスキーの登場にワクワクしてたのもあるし、1幕の最後のゴタゴタで他の婚約者に殺されちゃった奥田慎也さんが、ここで生まれ変わって(笑)伯爵夫人の湯川麻美子さんを口説いてるのを可笑しがったりしてるうちに、踊ってしまったんですね、きっと。

3幕の大団円では、ダイヤモンドの精の遠藤睦子さんの軽やかさが印象的でした。寺島ひろみさんのフロリナ王女はすごく期待していたのですが、ありゃりゃ?ちょっと固くなっていたでしょうか?トレウバエフくんの青い鳥もちょっと固かったかな。あまり2人でパ・ド・ドゥを踊る機会はなかったのかもしれませんが、あまりしっくりきてなかったかもしれません。真忠久美子さんの白い猫はちょっとプライド高めかなー。赤ずきんのさいとう美帆さんは、表情も愛らしくて軽やかでよかったです。

初日はいつも、少しのアンバランスとしっくりこない感じがあるのですが、それは今回も一緒。3幕の祝祭感もちょっと足りなかったかも。初日から最高のハーモニーを見せていただけないと、セット券を買ってる身としてはちと悲しいです。来シーズンに期待してますよ、新国立劇場のみなさまっ。