Getting Closer: A Dancer's Perspective

著者:Rosalie O'Connor
発行:University Press of Florida(2004.09)

1987年から2002年までアメリカン・バレエ・シアターのダンサー、そしてそのキャリアの最後の6年間はカンパニーのカメラマンを平行してつとめたロザリー・オコナー。彼女が撮影したABTのダンサーたちの写真を集めたモノクロ写真集です。序文は彼女の友人でもあるフリオ・ボッカ。

以前ABTのオフィシャルサイト内のギャラリーには彼女の写真とコメントが掲載されていたのですが、それをご覧になった方もいらっしゃると思います。この写真集はそこで見た写真を含んだもので、リハーサルの現場、舞台袖から撮影したものなど、内部の人間、しかもそれぞれの作品とダンサーの魅力を熟知した人だからこその写真が並んでいます。

衣装をつけてポーズをとったダンサーをスタジオで撮影するタイプのカメラマンもいますが、私は彼女の撮る写真のように普段のダンサーたちの素顔を切り取ったものがどちらかというと好きです。もっと言うと、バレエが好きでたまらない人が自分の仲間がつくりだす瞬間を切り取るロザリーの写真が特に好きです。

サイズはA4、そして中性紙でつくられているのですが、それが彼女の写真により一層の柔らかさを与えているように思いました。確かにカラーのよくある紙質のものに比べれば派手さはありません。でも、この本の魅力は暖かい視線で切り取られたロザリーの写真同様、それぞれの写真に添えられたロザリーの、あるいは被写体として登場したダンサーや振付家たちの暖かく誠実で優しい言葉だと思うのです。

ちなみにこの本のタイトルは、ジョン・ノイマイヤーが99年にABTに振り付けた作品「Getting Closer」からとったものだそうです。ロザリーが謝辞で触れていました。2003年の世界バレエフェスAプロでリアブコとアッツォーニが踊った作品ですね。