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著者:ゲルシー・カークランド/グレッグ・ロレンス
訳:ケイコ・キーン
発行:(1988.04)

ゲルシー・カークランド。私にとって彼女の踊りといえば、映像で見たバリシニコフとの「くるみ割り人形」、そして「コッペリア」「ドン・キホーテ」のグラン・パ・ド・ドゥだけ。小柄で夢見るような表情の彼女が、バリシニコフとの関係だの拒食症だの麻薬だのでスキャンダラスな存在であったのを知ったのは少し後のことです。いかにもスキャンダラスなこの本のタイトルはちょっと引きますが、入手できたので読んでみました。

読んでみての感想は、ゲルシー・カークランドという人は、自分にもこの上なく厳しいけれど他人にも同様に厳しい人なのね、ということ。実際には暖かい部分もあるだろうに、本を読み終わって残るのは彼女の「こうあるべき」ということ以外は受け入れられないある意味不器用な性格というか信念の強さというか。それと同じくらい弱い部分もさらけだしていて、なんというか壮絶だよなぁ、とため息をつきながら本を置きました。

バランシンやバリシニコフ、ピーター・マーティンスなどの”ダークサイド”の話は「へ〜」という驚きは与えてくれるものの、つらい経験を一人称で語る文章をそのまま信じるわけにもいかないよねぇ、とも。そう思わせるヒステリックなかけらも見え隠れしている気がするんですよね。ちょっとワイドショー的な告白もどうかなぁと思うし、、、その後彼女は幸せに暮らしているのでしょうか。そうだといいなぁ、そう願わずにはいられません。