2005年11月6日 新国立劇場オペラ劇場

「ライモンダ」1幕より夢の場

振付:マリウス・プティパ/作曲:アレクサンドル・グラズノフ/改訂振付:牧阿佐美/美術:ルイザ・スピナテッリ/照明:沢田祐二
指揮:バリー・ワーズワース/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

ライモンダ:宮内真理子
ジャン・ド・ブリエンヌ:マイレン・トレウバエフ
第1ヴァリエーション:本島美和
第2ヴァリエーション:西山裕子
コール・ド・バレエ:安井紫/大和雅美/神部ゆみ子/難波美保/今村恵/岸川章子/北原亜希/工藤千枝/下拂桃子/杉崎泉/田中若子/中島郁美/深沢祥子/柳井美紗子/伊東真央/酒井麻子/高井香織/寺田亜沙子/細田千晶/堀口純

宮内さんが本当にすばらしかった。8月の日本バレエフェスでの「姉御ライモンダ」とは全く別もので、これがどんな場面か知らない人が見ても「あ、彼女は夢の中で恋人に会っているんだなー」とわかる夢見心地な甘さと伸ばす指先にこめられた愛しさ。華やかさと甘さとの加減がちょうどよいのねー、見ていてとても幸せな気分になりました。

トレウバエフくん、今まで見た彼のパ・ド・ドゥの中で今日が一番よかったと思います。といっても私は彼の全幕主役は見ていないのですけれど。宮内ライモンダを本当に大切に敬っている感じで、見ていて好感が持てました。あの「カルミナ」の街の男と同じ時期にこのクラシックを踊るのは大変だったと思いますが、よかったと思います。

「ライモンダ」夢の場はね、何と言っても紗幕の向こうのコール・ドが透けて見えてくる瞬間がすごく好き。いつもここで涙が出そうになります。最終日にはコール・ドも上手くまとまってきていたことにも感動しました。「カルミナ」との抱きあわせが「ライモンダ」というのは不思議な感じがしていましたが、かなり入れ替わったコール・ドの質を上げるのにぴったりの作品だったのですね、きっと。


「カルミナ・ブラーナ」

音楽:カール・オルフ/振付:デヴィッド・ビントレー/美術:フィリップ・プロウズ/照明:ピーター・マンフォード
ソプラノ:佐藤美枝子/カウンターテナー:ブライアン・アサワ/バリトン:河野克典
指揮:バリー・ワーズワース/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団/合唱:新国立劇場合唱団

運命の女神フォルトゥナ:湯川麻美子
神学生1:中村誠
恋する女:高橋有里
ローストスワン:寺島まゆみ
神学生2:吉本泰久
神学生3:山本隆之
神学生たち(プロローグ):市川透/マイレン・トレウバエフ/江本拓/貝川鐵夫/冨川祐樹(交替出演)
ポニーテールの女(第1部):遠藤睦子/西山裕子/本島美和
春の女(第1部):遠藤睦子/寺島ひろみ/西山裕子/川村真樹/寺島まゆみ/本島美和/杉崎泉(交替出演)
街の女たち(第1部):寺島ひろみ/川村真樹/寺島まゆみ/楠本郁子/丸尾孝子/北原亜希/杉崎泉/堀岡美香/堀口純(交替出演)
街の男(第1/2部):市川透/マイレン・トレウバエフ/陳秀介/江本拓/貝川鐵夫/冨川祐樹/中村誠/高木裕次/冨川直樹/ハンガイ・アルガイスフ/井口裕之/小笠原一真/佐々木淳史/澤田展生/泊陽平/八幡顕光(交替出演)
食いしん坊たち(第2部):市川透/陳秀介/貝川鐵夫/高木裕次/泊陽平
娼婦たち(第3部):寺島ひろみ/川村真樹/寺島まゆみ/楠本郁子/丸尾孝子/神部ゆみ子/北原亜希/千歳美香子/堀岡美香/堀口純(交替出演)
男たち(第3部):市川透/マイレン・トレウバエフ/陳秀介/江本拓/貝川鐵夫/高木裕次/井口裕之/佐々木淳史
フォルトゥナのクローンたち:遠藤睦子/高橋有里/寺島ひろみ/西山裕子/川村真樹/さいとう美帆/寺島まゆみ/本島美和/楠本郁子/丸尾孝子/神部ゆみ子/北原亜希/千歳美香子/堀岡美香/堀口純/マイレン・トレウバエフ/陳秀介/高木裕次/冨川直樹/ハンガイ・アルガイスフ/井口裕之/佐々木淳史/澤田展生/荒幡大輔/アンダーシュ・ハンマル/八幡顕光(交替出演)

この日の山本さんは最高でした。マッケイくんはためらい、山本くんは苦悩。マッケイくんは躊躇っているからこそ、外した白いカラーを見つめつつ床に置く。でも山本くんは苦悩しているから、外したカラーを正視できずに目をそらすの。でも、その苦悩を脱いだ服と一緒に投げ捨ててしまえる位、マミコ@フォルトゥナは魅力的だったと。正にそんな感じ。初日はゲストの2人に引っ張られていた感のあった新国ダンサーのみなさんも、日に日に変わってきて、この日はすっかり「新国プロダクション」としてなじんだものになっていました。

中村さんは踊りは初日よりはじけていて「若さあふれる」感じがとてもよかったです。その分ちょっとだけ荒さがあったのが気になりましたが、先輩の高橋有里さんに上手くフォローしてもらっていた感じ。自分でも達成感があったのでしょう、カーテンコールではとびきりの笑顔でした。吉本さんについてはもう本当にブラボー。お疲れさまでした。この作品で脱皮した感のある彼が、これからどんな舞台を見せてくれるかとても楽しみです。

「ライモンダ」で素敵な騎士ぶりを発揮したトレウバエフくんは、今日はカルミナには出ないのかと思ったら、ちゃんと出てきたのでびっくりしました。神学生1が恋する女のおでこにキスをしてから踊るヴァリエーションを、トレウバエフくんが同じように恋する女にキスをして踊り始める時に、今日はおでこにキスをした後に「やったっ」って感じで指をならすポーズをして踊ってました。ナイス。

それにしても、自分がここまでハマるとは思いませんでした。とても楽しかったです。すばらしいオケとワーズワーズさんの指揮、そして合唱のみなさんにも、心から拍手。