Yoko Morishita

撮影:中嶌英雄
発行:主婦と生活社(2005/12)

舞踊歴55年を迎えた森下洋子さんの写真集。撮影の中嶌英雄氏は「オフィシャル・カメラマン」として30年間撮り貯めた彼女の写真から厳選されたものが収録されているとのこと。ほとんどが80年代から90年代の舞台の写真で、清水哲太郎氏の他にルドルフ・ヌレエフやフェルナンド・ブフォネスとの写真なども見られました。

数々の写真を見ていて、私はオデットやジゼルを踊る森下さんより、オーロラやキトリ、ラ・シルフィードを踊る彼女の「陽」の表情に魅せられていました。何とも言えない、こちらまで幸せにする笑顔とちょっといたずらっ子のような表情が何とも言えず魅力的。そして、ページをめくるたびに森下さんの「バレエが好き!」「ホントに好き!」というほとんど叫びのような声が紙面を通してビシビシ伝わってきます。華奢な体にはち切れそうなエネルギーをたたえて踊るのは今も変わらないのでしょうが、その時代の彼女を見てみたかったものです。

写真集の構成はこれ以上ないシンプルさ。写真たちがひたすら続き、最後に森下さんの感謝の言葉(その横には幸せそうな表情で観客の拍手に応える彼女を再度から撮った写真)、収録された写真の撮影年と演目がミニマムに記載されたもの、1964年!の「週刊少女フレンド」にモデルとして登場したその雑誌表紙(かわいい〜)、そして森下さんのプロフィールというもの。それだけに「これからもまだまだ踊り続けるわ!」という森下さんの言葉が聞こえるようです。