日本のバレリーナ―日本バレエ史を創ってきた人たち

文園社 編 執筆者:白浜研一郎、脇今日子、早船洋美
出版社: 文園社 (2002/03)

「バレリーナへの道」3, 6〜21, 23,24,26号に掲載されたものを加筆・修正して単行本化したものだそうです。副題の「日本バレエ史を創ってきた人たち」の通り、「日本のバレエ界の親」エリアナ・パブロバの門下生や、彼らが敗戦翌年に帝劇で20日間のロングラン!で上演した日本初の「白鳥の湖」全幕を見てバレエに惚れ込んだ人たちなど20人を紹介しています。いずれも現在ではバレエ団の名前になっているような人たちばかり。紹介されている20人は以下の通りです。(掲載順)
貝谷八百子、谷桃子、松山樹子、橘秋子、服部智恵子、太刀川瑠璃子、大滝愛子、小林紀子、大原永子、小川亜矢子、加美早苗、松尾明美、石井清子、岡本佳津子、佐多達枝、アベ・チエ、笹本公江、多胡寿伯子、雑賀淑子、谷口登美子

雑誌ダンスマガジンの編集長インタビューでも時々このようなパイオニアの方たちのインタビューが出ていて、それがとても興味深かったので買ってみました。ダンマガは対談形式ですが、こちらは取材した内容を元に、取材での受け答えや現役時代の舞台の感想なども含めて書かれておりました。執筆者が複数いるため、例えば前半の第一世代の方について書かれた白浜氏と後半の早船氏の文章では同じシリーズかと思うほどスタイルが違います。

白浜氏の文章は、当時のバレエを取り巻く状況を伝える事に重きを置いていて(当時を知る人が減っている現在貴重なことではあります)その流れの中で取り上げたバレリーナがどうであったか、取材やご自身の感情などを含めて回顧している印象。脇氏と早船氏は取材した内容をルポ仕立てにして読ませる手法と言ったらいいでしょうか。執筆者によって趣きがかなりかわるので、読者としては項目ごとに執筆者を明記すべきだと感じました。

内容自体はとても興味深かったです。たとえばダンスマガジンインタビューに登場された方たちのことは、その際にある程度の知識を得ていたので新鮮な驚きというのは少なかったのですが、中には失礼ながら私にはあまり耳慣れない方もいらしたので、その方たちのことが少しでも分かってお名前に親近感がわいたことは収穫でした。また、貴重な写真も多数掲載されているので(全てモノクロですが)そちらも新鮮でした。

たぶん関係各位は嫌がるでしょうが(笑)、系図をつくってみたら面白いでしょうね。付録としてつけてほしかったかも。あの人とこの人がどのバレエ団をつくって、そこからこのバレエ団が生まれて、みたいな系図。

「バレリーナ」という枠があるため残念ながら男性ダンサーは話に登場するだけなのですが、男性ダンサー編も読んでみたいものですね。