2006年12月16日 新国立劇場オペラ劇場

クレジット

振付:フレデリック・アシュトン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ/監修・演出:ウェンデイ・エリス・サムス/舞台美術・衣装:デヴィッド・ウォーカー/照明:沢田祐二/装置・衣装制作:英国ロイヤルバレエ
指揮:エマニュエル・プラッソン/演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

キャスト

シンデレラ:さいとう美帆
王子:マイレン・トレウバエフ
義理の姉たち:マッシモ・アクリ、奥田慎也
仙女:湯川麻美子
父親:ゲンナーディ・イリイン
ダンス教師:吉本泰之
仕立屋:澤田展生
洋服屋:神部ゆみ子、楠本郁子
靴屋:高木裕次
床屋:佐々木淳史
宝石屋:井口裕之
御者:末松大輔
春の精:西山裕子
夏の精:西川貴子
秋の精:高橋有里
冬の精:寺島ひろみ
道化:グレゴリー・バリノフ
王子の友人:陳秀介、冨川祐樹、江本拓、中村誠
ナポレオン:八幡顕光
ウェリントン:市川透


感想

この日は3階席でした。さいとうさんのシンデレラもマイレンくんの王子様役も初めて見るし、「時の踊り」を上から見るのも楽しみにしていました。どれも満足のいくものでとてもよかったです。

さいとうさんのシンデレラ。初演の時を見ていないので比較はできませんが、彼女にとても合った役だと思います。おおらかで娘らしい「新国立自前のシンデレラ」。というのも、役作りに志賀三佐枝さんのそれに重なるものが見えたのです。再演で彼女自身が落ち着いて取り組めたこともあると思いますが、さいとうさんの資質に向いている演目ですよね。鮮やかに踊りの残像を残していくタイプではないし、アシュトンとしては少々物足りない部分もあったのですが、あのキャラクターはとても好もしい。彼女自身は無色透明なイメージがあって何を踊っても丁寧に踊り切る人ですが、今後はもう少し自分オリジナルの役作りを出していってもいいんじゃないかなぁ。もちろんその無色透明なところが彼女の良さでもあるのですけどね。

マイレンくんの王子様は包容力があり、踊りの美しさが際立っておりました。彼は立ち姿の時に片足のつま先を伸ばす「王子立ち」をあまりしないんですねー。あれがいいのになぁ(笑)。3階席からでしたので表情までは仔細に眺められず、ラブラブ度までは掴めませんでしたが、上から見た感じだと割と落ち着いたカップルという印象かしら。マイレンくんの場合はサポートの丁寧さが相手への尊敬の念にも見えるので「落ち着いた」風に見えたのかも。

本日のアグリーシスターズ妹は奥田慎也さん。奥田さんの妹役、大好きなんですよねー。アクリ姉さんとの芝居がハマって最高です。新国立のアグリーシスターズではこのペアが一番好き。彼がキャラクテールに多くキャスティングされるのは演技力を評価されてのことだと思いますが、本人的にはもっと踊れる役で出たいだろうなと思ったりはします。好きなんだけどね、彼のキャラクテール。道化はバリノフくん。やっぱり彼の道化は最高です。今回は出演日が減っていて残念でしたが、とにかく見られてよかった。

四季の精は上から見るとまた雰囲気が違ってよいですねー。西山さんは昨日ほど音にピッタリはまって見えなかったのですが(昨日が凄すぎたのかも)3階だと多少距離の影響もあるのかしら。夏の西川さんはそんなに好みのダンサーではなかったのですが、上から見たら曲の質と踊りがハマっていて、前日に1階から見た時と印象が全然違っていたのに驚きました。有里さんと寺島ひろみさんは前日同様に安定しておりました。

ナポレオンは八幡さん。彼、この役合ってると思うわ。シレッと義姉たちのお相手をしたりヅラが取れて慌てたりするのも、見せ方が非常に上手。ウェリントンの市川さんは、カーテンコールでアクリ姉さんに巨大扇の奥で熱烈チューをされておりまして(笑)、その後にほっぺを拭う様子がナイスでした。

上から見た時の踊りは、やはり最初は12名だとちょっと淋しく感じるんですよね。舞台がスカスカして見えるというか。でも踊っているうちに気にならなくなる。よく揃っていて美しかったです。

ということで、この日も大満足でした。