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発行:Dewynters PLC (1989)
商品の寸法:11.7 x 9.1 x 0.5 inches

先日アニー・リーボヴィッツ「Dancers」のレビューを上げましたが、やはり我慢できずに(笑)この本を取り寄せてしまいました。amazon.co.jpには商品データがありませんが、amazon.comでは上に紹介したリンクの他いくつか同じタイトルのものがマケプレ出品されています。

さて、タイトル通り、この本はアメリカン・バレエ・シアターの創立50周年を記念して作成された本のようです。一昨年、ファブリツィオ・フェリ氏の撮影によるABTのスーベニアブックが出版されましたが、これもその体裁に近いです。実際、後半部分のクレジットには「Souvenir Book」の記載もあり。

上のamazon.comのリンク先にはこの本の表紙の画像(カスタマー・イメージのため当欄には取り込めず)がありますが、バレエスタジオに設えた写真撮影用のセットでダンサーたちが談笑しながらその時を待ち、一人バリシニコフだけがカメラの方を見て微笑んでいます。

本の構成は、前半1/3(いや2/5くらいかな)が創立以来の歴史を紹介した文章と写真、残りが当時のABTのダンサーたちをリーボヴィッツが撮った写真、となっています。広告以外は全てモノクロームですが、不思議に物足りなさがありません。前半には当時のカンパニーメンバーの他にもルシア・チェイス、ノラ・ケイ、アントニー・チューダーからカルラ・フラッチ、エリック・ブルーン、ナタリア・マカロワ、フェルナンド・ブフォネス、、、といった面々も登場。ざっとABTの経歴をふり返るのによい感じです。

でも、当時の芸術監督であったバリシニコフが力を入れたのは、後半のポートレイトだと思うんですよね。一言で言ってゴージャス!各プリンシパルには見開き分のスペースがあり、ソリストには各1ページ、コール・ドは全体で4ページかな?たくさんのスポンサーが衣装や宝飾品を提供して撮影されたプリンシパルの写真は、そのままスポンサーの広告写真になり得ます。実際使った事もあるかもしれないな、と思うくらい素敵。

驚いたのは、芸術監督のバリシニコフとダンサーだけでなく、Artistic Associatesであったケネス・マクミラン(!)とトワイラ・サープもポーズを取って写っていた事。マクミランがハンチングかぶってタートルセーター+スーツ+コート+マフラー姿で木に寄りかかってこちらを斜めに見ている写真なんて、そうお目にかかれるものではありません!素敵でしたよー。

プリンシパルのページには、スタイリッシュなポートレートにプロフィールや彼らの言葉が添えられています。ヴィクター・バービーの男前度にクラクラし、フェリのゴージャスな美女っぷりに目をみはり...。見ていて気付いたのですが、ABTの来日公演チラシなどで使われていたタキシード姿のケヴィン・マッケンジーの写真やギョーム・グラファンが引退するまで使っていたプロフィール写真はこの時に撮影されたものだったのですねー。

この時のABTにはアンドリス・リエパやロス・ストレットン(ロイヤルの芸術監督を解任後にメラノーマで2005年死去)もいたんですね。日本人の血が半分は言っているマリアナ・チェルカスキーは着物を着て(たぶんアメリカ人にはそう見えると思います)正座した写真なんかもあり。

ソリストは1ページに4枚程度の写真で構成。それぞれ顔を含む身体のパーツが切り取られています。イーサン・ブラウンが精悍でいい顔してました。コール・ドは何て表現したらいいか難しいのだけど、たぶんズラーっと並んだ彼らを端から数人ずつダブるように撮影していて、それをコラージュした感じ。この中には写真家になったロザリー・オコナー、パリッシュ・メイナード、現デンマーク・ロイヤルのケネス・グレーヴェ、サンドラ・ブラウン、キース・ロバーツ、ジュリー・ケント、アシュリー・タトル、チャールズ・アスケガードなどの姿がありました。

アニー・リーボヴィツだからこそ撮り得た写真だと思いますが、そこにABTのダンサーたちの個性が乗って、思わず微笑んでしまう。バリシニコフ1人が目当てだと写真はそう多くありませんが、私としては買って大正解の本でした。

(2008.01.22 記)