マニュエル・ルグリの芸術監督としてのシーズンが始まったことで、ウィーン国立歌劇場バレエに対する注目というのも多少は増えているのでしょうけど、このカンパニーを目当てにウィーンを訪れるバレエファンはそう多くないと思います。もちろんウィーンを訪れるのだからバレエも、という方は多いでしょうし、私もその1人でした。キャストで選ぶのでも演目で選ぶのでもなく、旅行の日程から「この日しかない」という選び方。

上層部が一新した今シーズンは、サイトのデザインも変わりましたし(まだ英語や日本語ページが用意されていないのが残念です)チケットの購入方法なども以前とは少し変更になっていますので、私のインターネット購入の記録を書き留めておきたいと思います。


まず、ウィーン国立歌劇場をはじめとするオーストリア連邦劇場のインターネット販売は「culturall.com」が担っていて、劇場サイトのチケット購入ボタンを押すとこのサイトに飛びます。スターツオーパーのオフィシャルサイトは今のところドイツ語のみですが、culturallには英語ページが用意されています。

一番大きな変更点ですが、今シーズンからチケット発売は公演の2ヶ月前からになりました(先シーズン前は基本的に1ヶ月前発売)。2ヶ月前がシーズンオフにあたる9月と10月の公演についてはそれぞれ5月と6月の同日に前売り開始となります。

ただし、シーズンのプログラムが発表になった時点で、全ての演目について事前申し込みが可能です。郵便やFAXでも頼めるそうですし、インターネットでももちろん受け付けています。

以前はこの事前申し込みはあまり細かい座席希望ができなかったそうですが、今はカテゴリーだけでなく「最前列」とか「列の端っこ」などといった好みも指定できます。今自分が指定している座席範囲が画面上で確認できるのでわかりやすいです(そこが空いているかどうかは確認できない)。申し込みの時点で席が確保できればその時点でカード決済、その時点で好みの席があいていなくても、いつまでスタンバイする、といった指定も可能みたいです。

ですから、もうこの日程で決まり!あるいはチケット取れてから旅程を組む、という場合はこのシステムを利用されるとよいと思います。

私は2ヶ月前のチケット発売日にアクセスしてとりました。というか、その頃私はまだ前年度同様にチケットは1ヶ月前発売だと思い込んでいたんですね。夏頃にチケット販売ページを見ていたら、既に10月の公演も販売されていた。それで、「あ、2ヶ月前からに変更になったんだ」と判ったのです。

この時発売になっていた(私が見るのと同じ演目である)「新世界の宝石」の初日と2日目のチケットの売れ具合から判断するに、上述の事前購入で頼まなくても、そこそこの席は買えそうだなーとも思っていました。夏の時点ではまだ旅行に本当に行けるかもわからなかったし、発売日にアクセスすればいいや、って思った訳です。

私が公演を見る予定にしていたのは11月5日。2ヶ月前は9月5日です。その日にいそいそと予約サイトにアクセスしましたが、一向にチケット発売になる様子がありません。未だに理由はよくわからないのですが、その前日11/4から11/6分のチケットも全て9月7日に発売になりました。たぶん、9月4日からシーズンそのものは始まったけれど、チケット販売業務は7日から…だったのかもしれません。


それで7日にアクセスしてみたら、何と公演初日よりこの日の方がチケットが売れているのです。100席単位でこっちの方が売れているんですよ。せっかくウィーンのオペラハウスに行くのだから、ボックス席最前列で見たいわーなんて夢を見ていた私でしたが、正面BOXの最前列はもうほとんど売り切れていました。平土間の見やすそうな辺りも売り切れです。どうやらこの日はシーズンチケットの1つに組み込まれていたようだったので、そのせいかもしれませんね。

そんな中、正面席ロジェ席死角なしで唯一空いていた(てか1つも売れてなかった)のがミッテルロージェ。元ロイヤルボックスといいますか、音も視界も最高のお席です。ただし着ていく服にも気を遣わねばなりません。でも買いました。

申し込みと同時にカード決済となる訳ですが、ウィーン国立歌劇場のチケット、日本から買いますと郵送は選択肢にありません。問答無用で「劇場引き取り」です。購入ページから引換証を印刷しまして、ウィーンに着きましたら、公演前日までは劇場東側の連邦劇場連盟合同チケットオフィスで、公演当日は劇場のチケット売り場で、引換証を提示してチケットを受けとります。私は前日の午前中に連邦劇場連盟合同チケットオフィスに行きまして、チケットを受け取りました。

帰国してから気付いたのですが、ウィーンとオーストリア・ファンのためのポータルサイト「Austria-fan.com」さんに、いたれりつくせりの説明ページがありました。私のぐだぐだをお読みになるより、こちらのガイドを参照されるのが一番です(笑)。


歴史あるウィーン国立歌劇場はウィーンという観光地のランドマークであり観光資源でもあります。オペラを目当てにウィーンを訪れる方は多いでしょう。でも、そこで上演しているのがオペラでもバレエでも、せっかくウィーンに来たのだからオペラハウスで何か見ようと思う方は多いと思うのです。ですから、売れっ子歌手が出演する話題のオペラは即日完売のプレミアつきでしょうけど、それ以外の公演だって最終的にはほとんど売り切れるのではないでしょうか。

私が買ったミッテルロージェも最終的には全て埋まっていました。見える範囲の平土間やボックス席も埋まっていたと思います。ただ、立ち見席までフルに埋めるのは、バレエだと厳しいのかなーという印象。

ある程度の興行的成功が約束された劇場ですから、ルグリ監督は演目選びにある程度の冒険ができるんだろうなーとは思いました。もちろんリピーターというかカンパニーの熱心なファンを増やし、ダンサーたちの質も向上させるのが大命題でしょう。今回私が見た「新世界の宝石」のようなバランシンとサープ/フォーサイスを対比させたアカデミックで意欲的なプログラムを芸術監督1年目の最初のプルミエに持ってきたのがけっこうな冒険に思えたのは、私が見たのが第2キャストの初日だったから、というのが大きいのかもしれません。

使用曲だけでもチャイコフスキー、ブラームス、シューベルトにストラヴィンスキーですから、バレエに興味がない人も楽しめるとは思いますけど、全てがプロットレスバレエなのは見る人を選ぶと思うし、踊る人も選ぶ、のかも。

芸術監督1年目のプログラムを全て自分の意のままに組めた訳ではないけれど、というようなルグリの話は確か以前ダンマガのインタビューで読みましたが、このプログラムは誰の意向によるものなのか。それが気になる鑑賞後、でございました。

公演についてはまた追って感想を書きたいと思います。