米First Run Features社より、元NYCBプリンシパル メリル・アシュレイのドキュメンタリー映画のDVDが5月12日に発売になるそうです。amazon.co.jpで予約受付が始まっています。

メリル・アシュレイがダンサーを引退後どのような道を行くのか、というダンサーのキャリア・トランジションを追った映画になっているそうです。彼女がNYCCBを引退したのは1997年11月の事ですから、今から15年以上も前の話。現在のメリル・アシュレイはバランシン作品の指導等で世界中のカンパニーを飛び回っているという印象があるので、今こういう映画が?というのは少し不思議でした。

これ、彼女が引退した頃にスタートしたプロジェクトなのだそうです。映画の最終段階の為のファンドレイズを企画しようとした頃にアメリカ同時多発テロが起きて、計画を一旦保留にしなければならなくなったのだとか。そして2010年頃にこのプロジェクトを再起動して資金を集め、、、ここまで時間が掛かってしまったのですね。

Dance Goodbye [DVD] [Import]
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ダンサーのキャリア・トランジションは、当事者たるダンサーたちにとって大きな事ですよね。彼らは人生の全てをダンスに捧げているけれど、踊れる時期はそう長くなくて、早かれ遅かれその時期は必ずやってくる。いくつになっても踊り続けるバリシニコフみたいな人もいるけど、彼だって昔と同じ場所で同じように踊っている訳ではないし(だからこそ踊り続けているのでしょう)。でも彼というロールモデルがいるから、「今後も踊り続ける」という選択肢が増えた事は幸せな事だと思います。ダンサーにとってもファンにとっても。

スターダンサーだけをとって見ても、引退後のお仕事が本人の華麗な実績だけではどうしようもない事情に左右される例を、私たちはたくさん知っていますよね。そういった華やかな経歴のダンサーに限らず、本人が(年齢に限らず)もう十分と思えるまで踊った人であれ、怪我や契約の関係など色んな事情で「もっと踊りたい」と願いながらもかなわなかった人であれ、「ダンサー後」の人生で情熱を注ぐべき対象が既に分かっている人とそうでない人がいるでしょう。分かっているから上手くいくって訳でもないでしょうし、これはもうホントにダンサーの数だけ事情が違いますよね。ダンサーに限らない話ではありますが…。

引退の話は絶えず世界のあちこちから聞こえてくるし、好きだったダンサーたちがそうして転換期を迎えていくのを見続けてきてもいますから、私にとってもダンサーのキャリア・トランジションはとても関心があるところです。


この映画のメリル・アシュレイは、バランシン本人が作品を振り付けてきたダンサーであり、その作品管理の厳しいところゆえ、この映画を観る前の私としては「それは定められた道なのでは」と思ったりもしました。でも、そんな印象を与えてしまう人ですら、その次の仕事に迷いなく入っていけるとは限らないものなのかしらね、と(実際に映画を観てはいないので、的外れだったらごめんなさいね)。

この映画で彼女はとても素直な心情を吐露しているという事なので(残念ながらDVDには日本語字幕はないでしょうけど)、見るのがとても楽しみです。

仕様については今のところ不明。発売元のFirst Run Featuresの商品ページでトレイラーが見られます。興味のある方はぜひプロデューサーのDouglas/Steinman Productionsの映画ページをご覧になって見て下さい。ページの左側にリンクされている各ページに興味深い内容が記載されています。別のトレイラーもそのリンク先で視聴可能。