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本・雑誌-本のレビュー Archive
レビュー「マーゴ・フォンテーン自伝 愛と追憶の舞」
- 2006/11/18 16:59|
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著者:マーゴ・フォンテーン
訳:湯河京子
出版社:文化出版局 (1983/01)
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オリジナルは1975年に英国で出版されたフォンテーンの自伝で、それは彼女が引退する2年前のことであったようです。少し前にシアターテレビで放映された彼女の最新のドキュメンタリーが、彼女が残したかった姿ではないだろうなと気の毒に思える赤裸々さだったので、「フォンテーンが残したかった自分の姿」を知るべく自伝を買って読んでみました。絶版ですが、amazonのマーケットプレイスや楽天フリマなどで手には入ります。
印象としては、やはり優等生的な、それが却ってとぼけた味に感じられるような自伝となっていました。先に上のドキュメンタリーを見ていなければ、何も感じなかったと思うのですが、やはりどこか違和感があって・・・映像の影響力は大きいですね。
一人の女性として、一人のバレリーナとして、そのどちらとしても書きたかったことがあったのだと思いますが、他人との関わり具合をあけすけに書くような時代の人ではないんですよね。たとえばアシュトン、例えばド・ヴァロワ、例えばティト(ご主人)、その誰もに対して敬いと慎みを持ってエピソードを書く訳ですからあまり踏み込んだものはなかったように思います。そういう時代、そういう人だったということなんでしょう。
バレリーナを引退する前に書き終えた本ということで、パナマでの生活についてはほとんど触れられていません。引退後に彼女が何を思いながら暮らしていたのか、それも知りたいような気がするのですが。なお洋書では2005年に出版された「Margot Fonteyn : A Life」というMeredith Danemanの本が出ています。内容はわかりませんが、どちらかといえばたぶん赤裸々系だろうと思います。
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レビュー「ヌレエフとの密なる時」
- 2006/11/12 16:59|
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著者:ローラン・プティ
訳:新倉真由美
出版社:新風舍(2006.11)
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本の薄さと紙質とで、かなり軽量の本になっています。ほとんどの文庫本より軽いんじゃないだろうか(笑)。持ち歩きが気にならないサイズとも言えるかな。
本書の帯には本邦初訳とありますが、このプティのオリジナルテキスト「Temps Lies Avec Noureev」は音楽之友社「Ballet」(当時 隔月刊)の2001年1月号(Vol.17)から11月号(Vol.22)まで6回に渡って「ヌレエフとの結ばれた瞬間(とき)」として藤原敏史氏の訳で連載されておりました。雑誌連載という形式のため、挿絵や写真がレイアウトされていて、ボリュームを感じます。
本書の方は挿絵や写真はありませんが、その分(?)レイアウトの余白がたっぷり取られているので読みやすいです。訳の感じも女性的で細やかな文章。たぶんプティの原文が散文的なのかなーという気もするのですが。ヌレエフの人生にはスキャンダラスな部分が多々ありますが、それらについての記述もオブラートに包んだような印象。全体に、ヌレエフとの友情を美しい文章で、というコンセプトなのでしょう。前述の藤原氏のものはもう少しダイレクトに意味が入ってくる男性的と言える訳文でした。
プティの回想であって暴露本ではないので、当時の状況について詳しい説明がある訳ではありません。裏話的なものを期待して読むと肩すかしかもしれないし、当時のことを知っている人でないと話が分かりにくいかなーという気はします。それでも、プティのヌレエフへの友情の気持ちとヌレエフのプティへの友情の表し方は当人しかわからないものです。いかに彼らが深い絆で繋がれていたか、それゆえの諍いも含めて、密度の濃い関係が浮かんできます。
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レビュー「日本のバレリーナ 日本バレエ史を創ってきた人たち」
- 2006/09/01 15:31|
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文園社 編
執筆者:白浜研一郎、脇今日子、早船洋美
出版社: 文園社 (2002/03)
|amazon.co.jp|楽天ブックス|
「バレリーナへの道」3, 6〜21, 23,24,26号に掲載されたものを加筆・修正して単行本化したものだそうです。副題の「日本バレエ史を創ってきた人たち」の通り、「日本のバレエ界の親」エリアナ・パブロバの門下生や、彼らが敗戦翌年に帝劇で20日間のロングラン!で上演した日本初の「白鳥の湖」全幕を見てバレエに惚れ込んだ人たちなど20人を紹介しています。いずれも現在ではバレエ団の名前になっているような人たちばかり。紹介されている20人は以下の通りです。(掲載順)
貝谷八百子、谷桃子、松山樹子、橘秋子、服部智恵子、太刀川瑠璃子、大滝愛子、小林紀子、大原永子、小川亜矢子、加美早苗、松尾明美、石井清子、岡本佳津子、佐多達枝、アベ・チエ、笹本公江、多胡寿伯子、雑賀淑子、谷口登美子
雑誌ダンスマガジンの編集長インタビューでも時々このようなパイオニアの方たちのインタビューが出ていて、それがとても興味深かったので買ってみました。ダンマガは対談形式ですが、こちらは取材した内容を元に、取材での受け答えや現役時代の舞台の感想なども含めて書かれておりました。執筆者が複数いるため、例えば前半の第一世代の方について書かれた白浜氏と後半の早船氏の文章では同じシリーズかと思うほどスタイルが違います。
白浜氏の文章は、当時のバレエを取り巻く状況を伝える事に重きを置いていて(当時を知る人が減っている現在貴重なことではあります)その流れの中で取り上げたバレリーナがどうであったか、取材やご自身の感情などを含めて回顧している印象。脇氏と早船氏は取材した内容をルポ仕立てにして読ませる手法と言ったらいいでしょうか。執筆者によって趣きがかなりかわるので、読者としては項目ごとに執筆者を明記すべきだと感じました。
内容自体はとても興味深かったです。たとえばダンスマガジンインタビューに登場された方たちのことは、その際にある程度の知識を得ていたので新鮮な驚きというのは少なかったのですが、中には失礼ながら私にはあまり耳慣れない方もいらしたので、その方たちのことが少しでも分かってお名前に親近感がわいたことは収穫でした。また、貴重な写真も多数掲載されているので(全てモノクロですが)そちらも新鮮でした。
たぶん関係各位は嫌がるでしょうが(笑)、系図をつくってみたら面白いでしょうね。付録としてつけてほしかったかも。あの人とこの人がどのバレエ団をつくって、そこからこのバレエ団が生まれて、みたいな系図。
「バレリーナ」という枠があるため残念ながら男性ダンサーは話に登場するだけなのですが、男性ダンサー編も読んでみたいものですね。
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レビュー「ABT 2006 スーベニアブック」
- 2006/08/31 12:30|
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写真:Fabrizio Ferri
発行:
| MET online shop |
見る前は「Souvenir Bookとは何ぞや?」状態だったのですが、前半が2006年METシーズンで上演するレパートリーのイメージフォトと解説、後半がダンサーの写真という感じでした。
撮影はファブリツィオ・フェリさん。アレッサンドラ・フェリのダンナさまでイタリアでは有名なファッション・フォトグラファーなのだそうです。その為か、よくある「バレエ写真」とは全く趣きの違う写真になっていてとても面白い。写真家がバレエの側に近寄るのではなく、バレエとダンサーを自分の領域へ招き入れちゃった感じ。光線の使い方というよりは影の使い方が巧みで、肌や布地の質感の出し方が艶かしい。
本の中にはABTダンサーの写真が登場する広告も入っていていますし、ゲストダンサーはフェリさん以外の方による写真が掲載されていたりするのですが、そういう「フェリさん以外」の写真と彼の写真との差は明らかです。彼の写真に埋もれた他のバレエ写真はライトの使い方が大雑把だったり質感が貧弱だったり。もちろん、この写真集の中にあるからそう見えるのであって、他の用途でどちらが適して見えるは別なんですけどね。
前半のレパートリーのイメージフォトも一筋縄ではいきません。「バレエの目」で見ると不思議な感じで突っ込みいれたくなるのですが、ドラマティックではある。切り取り方がユニークで新鮮でした。登場人物?は以下の通り。
- 「白鳥の湖」ジリアン・マーフィー/イーサン・スティーフェル
- 雨の中、湖らしきところに腰まで浸かってキスをする2人が表紙写真。演目のイメージフォトとしては、同じく湖の中で水中から引き上げられた??王子とそれを助けたオデット、かなぁ?水の中の撮影なんてイーサンの背中と膝が心配になったのは私だけ?
- 「シンデレラ」ジュリー・ケント/マルセロ・ゴメス
- 舞踏会のダンスの途中でしょうか?ほとんどシルエットのマルセロと、軽くのけぞって目をとじたお顔に薄くライトが当たるジュリー。
- 「ロミオとジュリエット」デヴィッド・ホールバーグ/エルマン・コルネホ
- ミートマーケットの前の石畳の路上で胸に血を流して倒れるエルマン(マキューシオ?)と剣を掲げて苦悩の表情で立つデヴィッド(ティボルト?)
- 「ジゼル」アレッサンドラ・フェリ
- 森の中で全身すっぽりと薄いたっぷりとしたシフォンのヴェールに包まれたウィリ姿のフェリ。まるで繭の中にいるようにも。
- 「シルヴィア」ミシェル・ワイルズ
- 言われないとミシェルだとわからなかった。シルヴィアの衣装で、頭をのけぞらせているし、ライトが当たっているのもその胸のあたりなので。
- 「海賊」ホセ・カレーニョ
- 船でマストを操っているところでしょうか。腕に太い綱をぐるりと巻いたところの肩から上の写真。非常にせくすぃー(はぁと)
- 「マノン」アレッサンドラ・フェリ
- 沼地の衣装でのけぞるフェリ。
- 「ストラヴィンスキー・セレブレーション」マキシム・ベロツェルコフスキー
- アポロの衣装を着たマックスのバストアップ。どこか遠くをしっかと見つめた凛々しき表情。
後半のダンサー写真は、プリンシパルには見開き2ページが与えられています。ダンサーの写真というよりも女性として男性として魅力的に撮られていて素敵。シーズン開幕と同時にプリンシパル昇進となったデヴィッド・ホールバーグは、残念ながらソリストとしての紹介。ソリストとコール・ドは職位別性別ごとに見開き2ページで集合写真での紹介。なぜかホールバーグは女性ソリストのページにも後ろ姿で跪いて登場しているし、男性ソリストのページではステラ・アブレラがホールバーグに片手リフトされてます(笑)。
amazonでは扱いがないので、日本で入手しようとするならMETのオンラインショップを利用するしかなさそうです。ちょっと不便ですよね・・・
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レビュー「Amerian Ballet Theatre 2007 Calendar」
- 2006/08/22 11:11|
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写真:Rosalie O'Connor
発行:Universe Publishing(2007.07)
|amazon.co.jp|amazon.com|取り扱い終了
Rosalie O'Connor撮影のABT 2007年カレンダー。
去年までのナンシー・エリソンはスタジオで「きれいなバレエ写真」を撮る人でしたが、ロザリーは舞台やリハでのダンサーのいい瞬間を切り取ってくれる写真家さんです。
ただ、個人的には、今回掲載された写真はあまり面白くないかなー。もちろん、私がオコナーの写真をとても気に入っているので、期待値が高かったんだと思いますけどね。
理由は「ダンサーのいい瞬間」が、今回はポージングの美しさに特化していること。せっかく壁に貼るカレンダーな訳ですから、ダンサーのいい表情も見たかったかな、と。その意味では4月のコルネホくんと6月のアンヘルは、ポージングの美しさと表情の良さがばっちり!両方楽しめます。特にエルマンのランケデムは絶品!
こちらのページに各月画像のサムネイルが並んだ裏表紙の画像が出ていました。
1月ミシェル・ワイルズとデヴィッド・ホールバーグ 「白鳥の湖」第3幕
2月ジュリー・ケントとウラジーミル・マラーホフ 「ジゼル」第1幕(モノクロ)
3月アレッサンドラ・フェリ 「ザ・ドリーム」
4月エルマン・コルネホ 「海賊」よりランケデム
5月カンパニー 「シンフォニー・イン C」(モノクロ)
6月アンヘル・コレーラ 「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
7月カンパニー 「ポロヴェッツ人の踊り」
8月ジュリー・ケントとマルセロ・ゴメス 「白鳥の湖」第2幕
9月ジリアン・マーフィーとイーサン・スティーフェル 「ドン・キホーテ」第1幕
10月ホセ・カレーニョ 「ディアナとアクティオン」
11月パロマ・ヘレーラとマルセロ・ゴメス 「テーマとヴァリエーション」
12月カンパニー 「白鳥の湖」表紙と同じもの(モノクロ)
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