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本・雑誌-本のレビュー Archive

レビュー「吉田都 終わりのない旅。」

吉田都 終わりのない旅

著者:吉田都
写真:秦淳司/ヨハン・パーソン/廣瀬由美子
発行:(2005.05)
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フォトエッセイということで、写真(秦淳司/ヨハン・パーソン/廣瀬由美子)やロバート・ハインデルの絵画に吉田都さんの言葉が添えられる、という体裁。中には都さん自身が撮った写真も!ピンぼけのものもあったりするのですが、やはり切り取り方に美的センスを感じます。さすがアーティスト。

都さんの言葉たちは、何かを声高に主張するのではなく、静かで、そして毅然とした、潔いと言ってもいいかな?しっかりと地に足を着けたゆるぎのなさがあります。そう、ちょうど都さんの踊りから受ける印象と同じ。もっと若い頃の都さんの言葉が収められた「バレエのプリンセス−吉田都の世界」と比べると、今の彼女の充実や成熟、強い自信を感じて感嘆します。

写真の方では、メインはファッションフォトグラファーの秦淳司さん。都さんはヨージ・ヤマモトやアン・ヴァレリー・アッシュのドレスを身につけていて、表紙の写真に代表されるようなタイプの写真が多いです。バレエ雑誌ではなく、ファッション雑誌に載りそうな感じのもの、、、かな。とても新鮮でした。個人的には、ヨハン・パーソン(「THE ROYAL BALLET 161 IMAGES」の写真家)の撮る写真がやはり好きみたい。この写真はすごく好きだなーと思ってクレジットを見ると、たいてい彼の作品でしたから。

舞台写真はかなり少ないので、そちらを見たい方はちょっと期待はずれになっちゃうかも。見たあとで心に残るのは、美しい写真たちより彼女の言葉たち。バレエの本というより、一本芯の通った静かで強い女性のエッセイだと感じました。

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レビュー「ROUND ABOUT THE BALLET」

Round About The Ballet


著者:William Cubberley, Joseph Carman , Photographs by Roy Round
発行:Limelight Editions(2004.11)
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ニューヨーク・シティ・バレエとアメリカン・バレエ・シアターで活躍するダンサー15人をフューチャーした本で、ダンサーのバイオグラフィーや経歴を紹介する文章とインタビュー、ロイ・ラウンドによる写真で構成されています。立派で手に取るとずっしり重いボリュームのあるハードカバーですが、写真集というよりはインタビューを楽しむ本かもしれません。

ニューヨークを代表する2つのバレエ・カンパニーで活躍するダンサーたちですが、その出身地は様々なのでその辺は興味深く読めると思います。インタビューの内容は、ダンサーがよく聞かれる質問だろうというものも多いので、ファンの人なら知ってる事も多いかもしれませんけどね。

ロイ・ラウンドは著名なバレエ写真家らしく、40年のキャリアがあるそうです(本人が「アリシア・アロンソからスヴェトラーナ・ザハロワまで」と本書で書いています)。確かABTのサイトにあったギャラリーに彼の写真もあったと思いますが、私個人としては好き!と言えるタイプの写真を撮る人ではないようでした。商業写真家のような印象を受けるものもあるし、基本的にスタジオで撮られたものより舞台を切り取った写真の方が好きなので。

ゴメスの「クリア」やイーサンの「放蕩息子」、ヒュッベの「アポロ」、ウェーランの「夢遊病の女」の写真はとてもよいと思います。(被写体の魅力が大きいのか?・笑)ミルピエやエヴァンス、コウロスキーも本人の魅力が伝わってくる写真で好感が持てます。でも、もしかしたら写真家本人が一番大好きなのはジュリーなのかなーと思ったり。オーロラの写真をお花で飾っちゃうところなんて、なんというか言葉に困ります(笑)。ジリアンの写真とかはちょっと本人が気の毒になる気もするんですが、本人のメイクのせいもあるかも。まぁ、彼女の強さは出てると思いますけども。

紹介されてるダンサーと、撮影された衣装は以下の通り。

  • マクシム・ベロツェルコフスキー(衣装:「ドン・キホーテ」「海賊」)
  • アンヘル・コレーラ(衣装:「テーマとヴァリエーション」「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」)
  • イリーナ・ドヴォロヴェンコ(衣装:「ロメオとジュリエット」「ドン・キホーテ」)
  • アルバート・エヴァンス(衣装:「レッド・エンジェルス」)
  • マルセロ・ゴメス(衣装:「ジゼル」「クリアー」)カルメン・コレーラも一緒に
  • ニコライ・ヒュッベ(衣装:「アポロ」「夢遊病の女」)
  • ジュリー・ケント(衣装:「眠れる森の美女」「ジゼル」「ロメオとジュリエット」「白鳥の湖」)
  • マリア・コウロスキー(衣装:「ダイアモンド」「10番街の殺人」)
  • ウラジーミル・マラーホフ(衣装:「ラ・バヤデール」「ジゼル」)
  • ベンジャミン・ミルピエ(衣装:「ハレルヤ・ジャンクション」「ダンセズ・アト・ア・ギャザリング」)
  • ジリアン・マーフィー(衣装:「白鳥の湖」「ディヴァージョン・オブ・エンジェルズ」)
  • ジェニファー・リンガー(衣装:「眠れる森の美女」「イン・ザ・ナイト」)
  • ジェニー・ソモギ(衣装:「ダヴィッド同盟舞曲集」「愛の歌」)
  • イーサン・スティーフェル(衣装:「放蕩息子」「ジゼル」)
  • ウェンディー・ウェーラン(衣装:「ブラームス=シェーンベルク四重奏曲」「くるみ割り人形」「夢遊病の女」)
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レビュー「Getting Closer - A Dancer's Perspective」

Getting Closer: A Dancer's Perspective

著者:Rosalie O'Connor
発行:University Press of Florida(2004.09)
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1987年から2002年までアメリカン・バレエ・シアターのダンサー、そしてそのキャリアの最後の6年間はカンパニーのカメラマンを平行してつとめたロザリー・オコナー。彼女が撮影したABTのダンサーたちの写真を集めたモノクロ写真集です。序文は彼女の友人でもあるフリオ・ボッカ。

以前ABTのオフィシャルサイト内のギャラリーには彼女の写真とコメントが掲載されていたのですが、それをご覧になった方もいらっしゃると思います。この写真集はそこで見た写真を含んだもので、リハーサルの現場、舞台袖から撮影したものなど、内部の人間、しかもそれぞれの作品とダンサーの魅力を熟知した人だからこその写真が並んでいます。

衣装をつけてポーズをとったダンサーをスタジオで撮影するタイプのカメラマンもいますが、私は彼女の撮る写真のように普段のダンサーたちの素顔を切り取ったものがどちらかというと好きです。もっと言うと、バレエが好きでたまらない人が自分の仲間がつくりだす瞬間を切り取るロザリーの写真が特に好きです。

サイズはA4、そして中性紙でつくられているのですが、それが彼女の写真により一層の柔らかさを与えているように思いました。確かにカラーのよくある紙質のものに比べれば派手さはありません。でも、この本の魅力は暖かい視線で切り取られたロザリーの写真同様、それぞれの写真に添えられたロザリーの、あるいは被写体として登場したダンサーや振付家たちの暖かく誠実で優しい言葉だと思うのです。

ちなみにこの本のタイトルは、ジョン・ノイマイヤーが99年にABTに振り付けた作品「Getting Closer」からとったものだそうです。ロザリーが謝辞で触れていました。2003年の世界バレエフェスAプロでリアブコとアッツォーニが踊った作品ですね。(ハンブルク・バレエのサイト内の作品説明

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レビュー「モーリス・ベジャール自伝 他者の人生の中での一瞬・・・」

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著者:モーリス・ベジャール/訳:前田允
発行:(1982.11)


古本屋さんで買いました。amazonではデータベースにものってませんでした。

ベジャールの生い立ちやバレエとの出会い、どのように振付家になったのか、など全く知らずに読んだのでとても面白かったです。本は分厚いのですが、行をたどっていくことが苦痛にならないのです。訳のよさもあったと思いますけれど、ベジャール本人が音楽や踊りだけでなく文章で自分を表現することにも長けた人なのね、という印象。

地名にしても人名にしても、たくさん出てくる固有名詞のイメージが湧かずに通りすぎて読んでしまうコトで、もしかしたらこの本の半分位は味わえていないのかもしれませんが、それでも十分「ベジャールを知った」気になります。加えて、ジョルジュ・ドンとの有名な出会い、たくさんの作品たちやベジャールの元にいたダンサーたちのエピソード、例えそれがほんの断片を映像で見ただけの作品や見たこともないダンサーの話であっても、それらの話は私にはとても面白いものでした。

この後、99年に自伝2が発表になっているようで、そちらもどうにか手にいれて読んでみたいなーと思っている次第です。

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レビュー「バレエの見方」

バレエの見方

著者:長野由紀
発行:(2003.09)
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バレエを見てきて「あの演目のあの部分はこんなことを表現している」というのが今ひとつ理解できない部分があったりしまして。たとえば「白鳥の湖」のオデットはいつからいつまでが白鳥なんだろう?とか、本当に基本的なことなのにわかってなかったりしたんですよ。身の回りにバレエ好きな人もずっといなかったし、見たままに理解するというのも限界があるのかなーと感じたのがこの本を買った理由でした。

この本はいろんな演目をいろんなダンサー・いろんな演出で見てきた長野由紀さんに、各演目についてじっくりお話を聞きながら教えていただく、っていう感じでしょうか。ひきあいに出されたビデオをいちいち買いたくなるというお財布的に恐ろしい衝動にかられるのと、ハードカバーでずっしり間があることが難点といえば難点ですが、バレエの初心者から見始めて少し経った人まで、ためになる本だと思います。

「バレエ101物語」で概略を知り、もっと細かいニュアンスはこちらでお勉強って感じかな。13の全幕作品とバランシン作品を取り上げているので、けっこうフォロー範囲が広いと思います。

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